またまた算数の話。
世には「向山型算数」と呼ばれるものがある。
私は、「問題解決学習」は嫌いで、
このタイプの算数が大好きである。
一番好きなのが、根幹である。
「どの子にも力をつける」ことである。
教育全体の根幹ともいえる。
その指標として、「点数」が挙げられる。
平均点90点突破が大きな目標だ。
この目標を達成するためには、
今までテストで5、10、20、30点だった子どもを、
50点や70点に引き上げなければならない。
そのためには、下位の子どもたちが
「できる」ようにならなければならない。
そのような素敵な理念がありながらも、反発がある。
それも親からだ。
向山型算数にはいくつものパーツ、システムがある。
どれもが密接に関連しており、欠かすことができない。
例えば「ミニ定規」システム。
直線を定規でひくと、本当に美しいノートになる。
「ノート指導」システム。
ゆったりと書かせる指導をする。
見違えるほどノートが美しくなる。
親はノートを見るから、感謝される。
他にも数多あるので、あとは関連書籍を参照されたい。
しかし、これらの論理的で人間味あるシステムに、
文句を言う親もこの世にはいる。
「ノートの無駄だ。」
「式、答え以外に書くことが多すぎる。」などなど。
「算数嫌いになるのでは?」ともっともらしいことを言うが、
なんてことはない。
我が子の「面倒臭い」を、大人の言葉で代弁しているだけだ。
もちろん、それらをさせる趣意説明は必要である。
しかし、それでも同意されないのであれば、
あっさりと引き下がればよい。
「それでも我が子は別がいいというのであれば、どうぞ。
でも、必要であれば、戻してもいいですからね。」
かわいそうだが、親が「指導方法」というプロの仕事に、
アマチュアのアマチュアが口出しするのだから、
そういう子どものことに責任は負わないことにする。
「向山型算数」を実践するには、多くの壁があるだろう。
「問題解決学習」大好きな管理職や指導主事。
そして、稀有の一点張りで
「先生のおっしゃることだから、やってみなさい。」
という姿勢を見せられない親。
しかし、力強い味方がいる。
向山洋一『教え方のプロ・向山洋一全集78
“教えないから分かる”向山型算数』明治図書、2006
この中には、こうした壁に立ちはだかる教師への
力強いメッセージが記されている。
くじけそうになったとき、弱音を吐きそうになったときに、
ぜひ手元に置いて、読んでいただきたい。
(馬鹿馬鹿しくも期限付きだが)教員免許という専門資格があり、
難関試験を突破した教育の「プロ」という自覚をもち、
これからも、子どもたちのために邁進していきたい。
今日、三角形の面積の授業で、
長方形や平行四辺形に変形する内容から、
公式を導き、公式を用いて練習問題を解くまで、
2時間分を1時間で行った。
普段あまり発言しない女子児童が、
「もっと算数やりたいな。」
とこぼしていた。
あくまで、教師は子どもたちが「どうなったか」で勝負する。
0 件のコメント:
コメントを投稿