2011年12月14日水曜日

公立学校の教員としての使命

向山型算数では、単元を貫く基本形があり、
それは最低でもその単元の間、徹底的に守らせる。
これは、ただ頑固なのではない。
ある教育的配慮があってだ。

それは、学力低位層の子どもたちに力をつけるためだ。

公立学校教員なら、必ず学力が低い子どもたちと出会う。
教師ならば、その子どもたちを救いたいと思うだろうし、
それこそが「公立学校」の教員の使命だ。
だから、学力が低い子どもたちの悪口を、
放課後に職員室でぶちまける教師は、
さっさと退職願を出し、有名私立小学校の教員になればよい。

学力が低い子どもたちのために、色々な指導法がある。
一つが、問題解決学習で見られるヒントカードがある。
自力解決できないときの、お助けのアイテムだ。
しかし、それを取りに行かない子どももいるという報告がある。

なぜか。
それは「どの子にもプライドがある。」からである。

そのような子どもでも、自分が算数ができないことを知っている。
誰でも、できないことを、周囲に知られるのは恥ずかしい。
どんなに担任が「大丈夫」と言っても、
全ての子どもから、その恥は拭えない。
それが人間の心理だからだ。

面積を求める学習。
「自分に合った学習方法でやりなさい。公式を書かなくてもいい人は、
書かなくていいし、書いた方がいい人は書きなさい。」

こう言ったとしても、次の時間には、
公式書いて求める子どもはほぼ0になるだろう。
(私自身経験済みである)

どうしてか。
頭のいい子が、黒板で問題を解くと、
一切公式を書いていないことを知る。

そうすると、自分のやり方は恥ずかしいと思う。
自分の周囲のノートを見てみると、
(偶然だったとしても)公式を書いている子がいない。
やっぱり、自分が恥ずかしくなる。
それだったらと、公式が必要な子も公式を書かなくなる。
テストには、公式を書く問題が出てくる。
公式を反復して学習していないから、公式が書けない。
テストでいうと、表の左半分の上側にある問題だ。

全員が公式を書いて解けば、
公式が本当に必要な子も、安心して公式を書く。
何回も書くから、反復して学習することになる。
声に出していなくても、脳に何度もインプットされる。
それを繰り返している内に、意識しなくても公式が出てくる。
これが「公式を学習した」という状態だ。

小学校で学習する公式は、たかが知れている。
5年生では、これが一番長い。
ひし形「一方の対角線×もう一方の対角線÷2=ひし形の面積」

これでは、ノートからはみ出る。
以下のようにすれば、できる子にも負担がない。
それに、ノートにぴったりと収まる。
ひし形「一方対×もう一方対÷2=ひし面」

全員で勉強して、全員ができるようになる。
平均点90点を上回るためには必要不可欠だ。

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