2011年11月17日木曜日

魔法の言葉

小学校では、
今年度から新学習指導要領が本格実施された。
それに伴い、算数は3割内容増となった。

前の学年や中学校の内容が下りてきている。
学年相当か?という単元もあるが、
学習指導要領にある以上は教えなければならない。

そこで、私は
「大丈夫」「これはね、とっても簡単なんです」
などという言葉を意識して遣うようにしている。

教師は、これまでは上の学年にあったとか、
中学校の内容だったとかをよく知っている。
だから、単元の導入で思わず
「これは前、6年生でやっていたんだよなあ」
と言ってしまいそうである。

それを聞くと、子どもたちは「難しいんだ……」と
思うかもしれない。
「難しいけど、頑張るか」と思うかもしれない。

後者ならよいが、前者も絶対にいる。

そう思ってしまうと、
分かるはずの内容まで、分からなくなってしまう。
自分で壁を自然とつくってしまうのだ。

今、私は「分数のたし算とひき算」を教えている。
これは、6年生にあった内容だ。
しかし、そんなことは一切子どもに言っていない。

「この勉強はね、たし算・ひき算だからとっても簡単だよ。
だけどね、簡単だと思って丁寧さを抜くと、
たくさん間違えてしまうからね。」

私はこのように言った。

通分・約分ができれば、何のことはない単元である。
だから、簡単さを言いつつも、
丁寧さを抜かないように強調した。

授業では、基本的なたし算・ひき算や
教科書に書いてあることを問うときに、

「とっても簡単なことを聞きます。」

と言う。

これで、子どもたちはおおよその見当をつける。

冬休み明け、5年生の最難関単元と言われる
「百分率とグラフ」(割合だ)があるが、
この授業のときには、なおのこと

「これは5年生で一番難しいんだよ。」

とは言わないようにする。

教師の何気ない言葉を、
意外と子どもたちはしっかりと聞き、覚えているものだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿