2016年6月26日日曜日

もっと早く読めばよかった名著

木下是雄『理科系の作文技術』中央公論新社、1981


 「理科系の」とあるが、ものを書く人にとっては必読である。
 これを読んでから、学級だよりを書く意識に変化があった。
 自分がどれだけ読みにくい文を、知らず知らず書いていたのかと恥ずかしくなる。

 今年度は、これから校内研究の授業があるので、指導案を「構成」に気を付けて書いてみたい。

 この本は、通勤途中、駅やバス停での待ち時間だけで読んだ。
 大学生のうちに出会っておくべき本の一冊である。

もっと早く読めばよかった名著

木下是雄『理科系の作文技術』中央公論新社、1981


 「理科系の」とあるが、ものを書く人にとっては必読である。
 これを読んでから、学級だよりを書く意識に変化があった。
 自分がどれだけ読みにくい文を、知らず知らず書いていたのかと恥ずかしくなる。

 今年度は、これから校内研究の授業があるので、指導案を「構成」に気を付けて書いてみたい。

 この本は、通勤途中、駅やバス停での待ち時間だけで読んだ。
 大学生のうちに出会っておくべき本の一冊である。

2016年6月11日土曜日

偏食な児童に対する給食指導

 誰にでも「好き嫌い」はある。
 大人にでもある。
 けど、我慢して食べることも重要である。
 それでも、給食時間が嫌で学校が嫌いになるほど指導してはならない。

 給食室では、給食後には食器を洗うのだ。
 調理員の皆さんに迷惑を掛けるほどの後味の悪い指導をしてはならない。

 今年度、クラスに目立つ偏食な児童が2名いる。
 こういう約束をした。


《A児》

①別のおかずに混ぜて食べられるものは、半分程度を減らす。
どうしようもないくらい苦手なものは、食べられる量まで自分で減らす。


《B児》

どうしようもないくらい苦手なものは、食べられる量まで自分で減らす。


 「自分で減らす」ことがポイントである。
 自分でしたことなのだから、最後まで責任を持たねばならない。
 私も、どれだけ残してもいいよとは言わない。
 だが、他に食べてくれる子どもがいるから、残るのがもったいないから、このような手を打っている。

 先週から始めたが、今のところは順調にいっている。
 一応、「我慢も必要」ということは、予め伝えている。

算数「たし算とひき算の筆算」「暗算」(東書・3上)市販テスト

 金曜日にテストをした。
 表が「たし算とひき算の筆算」、裏が「暗算」である。

 平均94.3点

 以下のポイントに気を付けて指導した。


《たし算とひき算の筆算》

①繰り上がりの「1」は、筆算の線に被せて書く。(足される数の上には書かないこと)

②繰り下がりの計算は、借りる「10」など思考の過程を書く。(河田孝文氏の「ブリッジ」は有効であった。)


《暗算》

①基本形は、「あかねこ計算スキル」を採用した。さくらんぼ計算である。
  教科書には「自分に合った解き方」などと書いてあるが、それはいけない。
  親野智可等氏も1つの解き方を使う方がよいと言っている。

②難しい場合や、答えを確かめたい場合は、筆算をしてもよいと伝えた。

2016年6月7日火曜日

算数「たし算とひき算の筆算」(東書・3上)――答えが〇〇になる式

 今日、61ページの「しあげ」とプレテストを行った。

   ◇2 答えが800になる式を、3つつくりましょう。

 これが意外と子どもたちはできなかった。
 57ページにも答えが1000になる、と同様の問題がある。

 今回は次のようにした。

 ①任意の3けたの数字を思い浮かべる。(800未満)
 ②「800-①の数」で式を書く。
 ③筆算させる。
 ④「800-①の数=答え」で式を完成させる。
 ⑤「①の数+答え=800」と式を書かせる。

 これを基本形とした。
 型が決まれば、その枠の中で子どもたちは自由になる。

2016年6月3日金曜日

辛いことも多いが、いいこともある!

 昨年度は、4年生担任だった。
 教え子たちから、今週初め、こんなお誘いを受けた。

    6日の運動会の代休の日、4-2だった人たちみんなで遊ぶので来てください!

 6年生が卒業後、中学がばらばらになり、たまに集まることはある。
 しかし、それ以外の学年でとなると、あまり聞かない。

 公園で遊ぶとのことだったので、校長と現担任団に断って、行くことにした。

 この職業ならではの「よさ」である。

2016年5月24日火曜日

算数「新しい計算を考えよう(わり算)」(東書3上)総括

 今日、テストを行った。
 平均点は、表裏合わせて92.8点である。(100点満点に換算)

 8÷2=4
     ↑
   2×4=8

 この基本形がよく定着していた。
 ただし、余りのある割り算では適用できないため、その時は基本形を変更する。

 実は、そこも見越して基本形をどうするか迷っていた。
 今回は、『あかねこ計算スキル』を優先とした。
 次に3年生を担任したときに、また悩んでみたい。

 教科書49ページ。
 「力をつけるもんだい」に、難しい問題がある。

 △5
 さやかさんと妹で、14このクッキーを同じ数ずつ分けます。先に、妹に4こあげました。
 妹には、あと何こあげればよいでしょうか。

 私も、一瞬止まってしまった。
 解答は、こうである。

 14÷2=7
       ↑
    2×7=14

 7-4=3

 答え 3こ

 さやかさんは、優しいお姉さんだから、妹に先にあげたのである。(笑)
 これは、間違えた子がかなりいたので、図を描いて学習をした。
 今回のテスト(正進社)でも誤答になる児童が割といたが、正当の割合が増えたため、平均点90点超えが維持できたと考えられる。

2016年5月23日月曜日

おはじきを使わないことの効果(3年算数)

 今日は、「わり算」の「しあげ」のページと、プレテストを行った。
 明日、テストを行う。

 このページに、「8÷2」になる問題を選ぶ問題がある。
 「8-2」や「8×2」が紛れている。
 1つしか見抜けない子が意外といる。

 では、どうするのか。
 図を描くのである。
 「〇」印を描いて、実際に操作させるのだ。
 これをおはじきでやっていたら、用意が(すなわち、片付けも)大変だし、落とすしで、学習どころではない。
 おはじきの難点は、「落ちてしまう」ことであろう。

 〇印を描くことを習慣付けることは、算数の学習において大事な技能になると考えている。

2016年5月19日木曜日

休憩時間(ざっくりと)

 休憩時間が保障されない日があるのはどうしてだろう。

 今日、救急法の研修があった。
 6時間授業なので、15:30~16:15が休憩時間である。
 15:45から始まった。

 終了がなんと、16:55。
 違法ではないのだろうか。

 設定する体育部も体育部だが、それを了承する管理職にも疑問符がつく。

 見通しを持てない人に合わせるのはつらい。

2016年5月16日月曜日

算数「新しい計算を考えよう(わり算)」単元を貫く”基本形”

 式で解く場合、次のように解いている。(『あかねこ計算スキル』と同じである。)

20÷5=4
     ↑
   5×4=20

 フォントの都合でずれているかもしれないので、補足する。

①「20÷5=」を書く。
②「20÷5」の「5」の下に、1行空けて「5」を書く。(5が縦に揃う)
③割られる数である「20」になる、5の段の式を書く。(5×4=20)
④その「4」の上に、上向き矢印(↑)を書く。
⑤割り算の式の「=」の隣に、先ほどの「4」を写す。

    割り算っていう新しい計算だけどね、実は掛け算しかやっていないんだよ。
    簡単でしょ!!

 脳はレッテルを貼る。
 自分にとってプラスの情報は、記憶に残りやすい。
 だから「簡単!」を強調する。

 小学校算数の全ての基礎が、この3年生の割り算である。
 相当な習得率を目指したい。

2016年5月15日日曜日

机の中をきれいにさせる方法

 何年生を担任しても、子どもの机の中は、だいたい汚くなる。
 全員とはいはない。
 クラスに何人かは、プリントが奥に押し込まれていたり、不必要な物が入っていたりする。

 そこで、毎週金曜日(週の最後の登校日)に行っていることがある。
 こう告げる。

    机の中がきれいになって、合格した人から帰ることができます!

 帰りの支度が済み、机の中もきれいになった子から手を挙げる。
 それを見て「よし!」とか「合格!」とか告げる。
 告げられた子から、「さようなら!」と言って帰る。

 これだけで、週のせめて1日くらいは机の中がきれいになるのだ。

 クラスに、片付けが苦手な子がいる。
 その子の個人面談がたまたま金曜日であった。
 保護者はいたく感動していた。
 「こんなの初めてです!」
 写真を撮って帰られた。

 毎日はこちらももたないし、子どもも辛かろう。
 金曜日なら、それとなくできる。
 次第に、子どもたちは金曜日になると、休み時間などにきれいにするようになる。

 最後に、机の中に入れておいていいのは、次の2つにしている。

    ①国語辞典
    ②読書のための本

2016年5月11日水曜日

算数「長さをはかろう」第6時(東京書籍3上)

 指導を終えての率直な感想は、

    2時間に分けるべきだ

である。

 内容が2つある。

    ①「きょり」と「道のり」の違いを理解すること
    ②1㎞=1000mを理解すること

 さらに、ページが32~34ページと3ページ分もある。
 計算スキルもしなければならない。

 2時間とまではいかないが、1時間と半分くらいはかかってしまった。
 見通しの甘さの反省である。

 分けるとすれば、

    ①32ページ ~ 33ページ☆2
    ②33ページ☆3 ~ 34ページ

ではないだろうか。

 1時間で終わる指導計画があれば、ぜひ教えていただきたい。

2016年5月1日日曜日

連休の合間の日をどう過ごすか

    いつも通りに授業をする

 私はこう過ごす。
 今までの経験から、連休直後だとか、連休の合間だとか、長期休業明けだとか、子どもたちから「だらけ」を感じたことがないからだ。

 ただし、学校やクラスの状態は様々だろう。
 もしかしたら、いつもとは異なるペースで過ごすかもしれない。
 それはそれでいいと思う。

 大事なのは、

    “意図的に”いつも通りに過ごす か
    “意図的に”ペースをゆったりさせる

のように、あくまで「意図的」であることだ。
 無計画にペースを落としたら、それは単なる“だらけ”である。

2016年4月29日金曜日

次の指示を出すタイミング

 授業は、「発問」と「指示」で構成される。
 例えば、算数で文章題を授業するとする。

    △「式はどうなりますか。」
    ◎「式はどうなりますか。ノートに書きなさい。」

 「式はどうなりますか。」が発問だ。
 「ノートに書きなさい。」が指示である。
 発問と指示はセットでなくてはならない。

 ただし、次の指示を出すタイミングも考えなくてはならない。
 ここで全員ができるのを待つ教師がいる。
 これでは、リズムとテンポが生まれない。

    7割が終えていたら次に進む

 残りの3割は追い付こうと必死になる。
 それくらいでいいのだ。
 学力に課題がある児童がその3割に含まれるとしたら、全員で式を読んだり、黒板に書かせたりすればよい。
 そうすれば「写すのも勉強ですよ。」と言って、その子のノートに何も書かれないということは避けられる。

 7割が終わるまでにタイムラグが生じるときがある。
 最初の方に終わる子と、後半の方に終わる子とで差が生じる場合だ。
 そういうときは、次のような手立てが考えられる。
 算数に限ったことではないので、その時々の学習内容で使い分ける。

    ①覚えるまで唱えていなさい。
    ②席を立ってもいいですから、5人と答え合わせをしなさい。
    ③黒板に書いてもらいます。先着〇人。先生にノートを見せに来なさい。
    ④~に色を塗って待っていなさい。
    ⑤先生問題を出す。(内容に関係していても、クイズみたいに関係していなくてもよい。)

 これは、

    空白禁止の原則

である。

2016年4月27日水曜日

黙って教室移動をする

 理由はただ一つだ。

    「他のクラスは授業中だから、迷惑をかけないようにする。」

 こういう筋を通すのも大事だ。
 1年生だからできないということはない。
 実際、1年生を担任したときは、クラスの子たちはできていた。

    「何時間も黙っていろと言っているのではない。ちょびっとがまんしなさい。」

 こうも付け加える。
 すると、教師がいるところではできるようになる。

 問題は、「いつでもできるようにする」ということだ。
 抜き打ちテストをしたり、敢えて自己申告させたりする。

    「今の移動は何点でしたか? 正直に。」
    「別に先生は見ていたわけじゃない。ただし、周りは見ている。嘘をついたら、『ああ、あの子は嘘をつく子なんだな。』って思われる。」

 教室移動が下手なクラスは驚くほど下手だ。
 少なくとも学年では申し合わせをしているから、いつでも遠慮なく指導できる。

2016年4月25日月曜日

理科「かげと太陽」影踏み遊びをする

 水曜日と木曜日に理科を予定していた。
 しかし、天気予報を見ると、あまりよろしくない。
 そこで、今日、急遽ではあったが、理科を行った。
 「影踏み遊び」があるからである。

 まずは、1時間目。
 クラスを半分に分けた。
 1回目、半分の子たちがやり、もう半分の子たちは見ている。
 1回目は、ただ逃げ回るばかりだ。
 見ている子たちが、何やら気付いてひそひそ話している。
 おそらく、どうやったら影を踏まれないのかが分かったのだろう。

 2回目、子どもたちを交代した。
 すると、少しずつあるところに立ち止まっている子が出始める。
 影を踏まれない場所を見つけたのだ。

 3回目。
 少し広いところに移動して、一斉に行う。
 建物の影がある場所だ。
 日なたでも、立ち位置を考えた子もいた。
 これで、全員がどうすれば踏まれないのかが分かったようだ。

 そして、5時間目。
 同じようにして行うと、1時間目とは事情が異なる。
 影のできる向きが変わったのだ。
 それでも向きを瞬時に読み取り、私は1人も踏めなかった。

【参考文献】
TOSS「理科」授業の新法則 編集・執筆委員会『新法則化シリーズ 「理科」の授業の新法則 3・4年生編」学芸みらい社、2015、pp.38-39

2016年4月23日土曜日

算数「九九を見直そう」総括

 20日(水)にテストを実施した。
 34人学級、平均点は95.8点だった。

 工夫した点を紹介する。


 ①基本形を「あかねこ計算スキル」に合わせた

 3年生の教科書ながら、情報量の多さは6年生と同じくらいである。
 3~6年生は、ほぼ同じと言ってよい。
 つい最近まで2年生だった子たちだ。
 シンプルにするために、「あかねこ計算スキル」の基本形を中心とした。

 第6時(13~15ページ)のような内容が厄介だ。
 12×4など、10を超える被乗数を扱うところだ。
 「あかねこ計算スキル」では、「かおり」の考えが基本形だ。
 12を10と2に分ける考え方である。
 こうでも絞って扱わないと、1時間でとてもスキルまで終えられない。


 ②ノートの書く量を減らした

 つい最近まで巨大なマス目だった子たちだ。
 いきなり多い量を「そっくりそのまま写しなさい。」と指示しても、あまりに差が生まれる。
 教科書に、穴埋めになっている問題はそのまま使用した。
 「あかねこ計算スキル」でも、テストでも同様だからだ。

 第4時(11ページ)の練習問題△4は、システムを入れた。
 「式」と「答え」を書くようにというのと、「答え」に下線を引くようにだ。

 これくらいシンプルな方がよい。


 ③アルゴリズムを唱えた

 ノートの量を減らしたから、その代わりに唱える量を確保した。

 8×6
 8×2=16
 8×4=32
 あわせて 48

 この内容は、

 1 「8×6の計算。」
 2 「6を2と4に分ける。」
 3 「8×2=16。」
 4 「8×4=32。」
 5 「16+32=48。」

というアルゴリズムになる。
 唱える量を確保することで、一方だけを分けるという考え方を感覚的に身に付けさせた。

2016年4月18日月曜日

掃除のシステムを入れる

 「掃除」も教師の統率力が試される。
 なぜなら、「やらなければいけない」ことだし、好きだという人がそんなに「多くない」からである。

 私は、ここ数年ずっと「学期」で固定している。
 勤務校は、2学期制だが、私のクラスの掃除は3学期制である。
 つまり、数か月の間、役割が固定される。
 もちろん、不平・不満を取り除くため、必ず雑巾は1度は担当させる。

 先週の月曜日から掃除が始まった。
 学年は3年生。
 9分で終わった。
 3年生にしては、出来も及第点である。

 今日から2週目。
 もう言わなくても、子どもたちは動きが分かっている。
 これが1週間交代なら、また「0」からの出発である。

 補足だが、1年生担任のときは、1週間交代にした。
 これから5年以上ある小学校生活。
 「〇〇の仕方が分かりません。」では困るからだ。

 1年生の振り出しほど怖いものはない。
 ただし、私が6年間担任するわけではないから、とりあえず全ての役割を経験させる。

 さて、今日。
 5時間目は、80m走のタイム測定を学年で行った。
 運動会のリレー選手選考だ。

 昼休みに距離を測っていると、あっという間に昼休み終了のチャイムが鳴った。
 慌てて教室へ戻ると、掃除開始から4分が過ぎている。
 教室を見渡すと、ほぼ半分が終わろうとしていた。
 もうシステムは入っている。

 片や隣のクラス。
 偶然、放課後の職員会議で、校長先生が「掃除について学年で少し話題を共有してください。」と時間を取った。
 そのクラスは、担任が私と同様に遅れて行ったが、掃除を始められていなかったという。
 始まって2週目。
 この差は歴然だ。

2016年4月12日火曜日

「全員遊び」スタート

 今日から「全員遊び」を始めた。
 普段は、上の位置にいる「先生」が、子どもとフラットになる時間だ。
 仕切りは先生がする。
 それは”先生”というよりも、”ガキ大将”に近いかもしれない。

 昨年度のクラス(4年生)で、意外にも思い出に残ったようだ。
 日記や最後の手紙で綴られている。

 この全員遊びを紹介してくださった先生が、こうおっしゃっていた。

    「全員遊びと学級だよりは、じわじわ効いてくる。」

 これを実感している。
 一緒に走り回ったり、ボールを投げたりしなくても、参加できる。

2016年4月11日月曜日

算数で「基本形」を確定するためのヒント

 問題を解くための「基本形」はシンプルで分かりやすいものがよい。
 操作が複雑すぎると、問題が難しくなり、本末転倒になる。

 そこで、私が参考にしているのが「あかねこ計算スキル」である。

 授業するページの部分のスキルを見る。
 授業の最後は、このスキルを解くから、スキルと基本形が一致していれば、指導に一貫性が生まれる。
 子どもの混乱もない。
 計算スキルを開いて「解き方が違う!」ということを防ぐことができる。

 計算スキルでも少し実態に合わないときは、改良する。
 けれど、計算スキルで、かなりの部分は授業に適用できる。

2016年4月9日土曜日

15分でがらりと変わった合唱指導(新2年生)

 勤務校の入学式では、式の前に新2年生による「アトラクション」がある。
 新1年生を歓迎するための、ちょっとしたものだ。
 歌は「そろそろ はるですよ」「ドキドキドン!1年生」「校歌」の3曲である。

 旧1年生担任は、このアトラクションを終えるまでが仕事だ。
 しかし、旧担任の伴奏担当が、今年度も引き続き1年生担任となった。
 なので、私に伴奏の役が回ってきた。

 入学式当日。
 始業式後に、音楽室で軽く練習・リハーサルを行う。
 まずは通してみて、私の指導時間は15分程度だ。

 通してみての感想。
 声に張りがなかった。
 歌詞はまあまあ覚えている。
 しかし、全体的に暗く、体育館サイズでは太刀打ちできない。
 かといって、たくさん指導し過ぎると、中途半端に終わる。
 けれども、2年生に達成感を味わわせたい。

 15分で3曲の指導。
 一点突破にすることにした。

    「最初の言葉を大げさくらいにはっきり言う。」

 これのみにした。

 例えば、「そろそろ はるですよ」。
 1番の出だしは「たんぼの かえるは まだねむい」である。
 「た」をはっきり言うようにいった。

 そのときに、
 「みんなのうたはね~、「あんぼの かえるは まだねむい」に聴こえるよ」と歌って聞かせる。
 子どもたちは、「なにそれ~」のように笑っている。
 こうやってほぐすためにも、こういうふうに聞こえているよと、教師が歌って聞かせるのだ。

 これをどの曲でも繰り返す。
 笑って歌い、笑って歌い。

 そうして、本番は伴奏でいっぱいいっぱいだったが、上手に歌えたようだ。

 午後イチの打ち合わせで、校長がこう言っていた。

    「始業式・入学式とお疲れ様でした。2年生も立派でした。来賓の方々が、特に歌がよかったって褒めてくださいました。」

 15分でもがらりと変わる。
 その場に居合わせた旧1年生担任は、「こうなるんだね……」と驚いた様子だった。

学年会計を買って出る

 私は、毎年、学年会計を買って出ている。
 (学年主任ではないから。)

 「学年会計」はなぜか煙たがられる仕事だ。
 どうしてなのか、私は不思議に思っている。

 なぜ、買って出るのか。
 理由は2つある。

    (1)作業が単純で決まっているから。
    (2)教材選択の主導権を握れるから。

(1)作業が単純で決まっているから。

 出す書類、決算の仕方など、毎年一緒だ。
 一度覚えてしまうと、とても楽なのである。
 それも数値を扱うので、頭を悩ませることもない。

(2)教材選択の主導権を握れるから。

 予算をどう配分するのか、見通すことができる。
 「〇〇円使えるので、**を取ってもいいですか?」と切り出せる。
 今年度、希望する教材を全て買うことができた。

  1 あかねこ漢字スキル
  2 あかねこ計算スキル
  3 正進社テスト(国・算・理) ※3年生だから「社」なし
  4 話す・聞くスキル

 みんなが面倒がるから、買って出ると喜ばれる。

2016年4月3日日曜日

年度末を迎える

 修了式の日に行った「パーティー」での出来事。
 司会の子が、

    「プログラム5番、終わりの言葉です。」

と言って、終わりの言葉の子が、言葉を述べる。
 これでお終いだと思った。
 ところが、

    「プログラム6番、先生へのサプライズです。」

と言ったのである。
 もちろん、私には何も知らされていない。
 前々から何かやっている雰囲気はあった(笑)。

 もらったのは、「アルバム」である。
 B5のノートに、1人1ページを担当し、メッセージと持って来られた子の写真が添えてある。

 メッセージは、1年間の感想のようなものだ。

★今まで、楽しかったことやつらかったこといろいろありました。でも〇〇先生といるとそんなのを全部わすれておもしろい話ができます!
★ぼくは〇〇先生のおかがで勉強が得意になりました。
★またクラスになれたらなと思っています。
★中休みなども、〇〇先生のそばにいるだけで楽しかったです。来年はたんにんの先生が〇〇先生であることを願っています。
★〇〇先生がたんにんになったときは、少しこわいイメージがあったけれどすごくおもしろくてとてもやさしかったので今では、五年生でも〇〇先生のクラスになりたいです。
★ぼくは、国語の要約の授業が楽しかったです。それと、漢字の広場のビンゴがとても楽しかったです。
★出来たらまた同じクラスもいいなと思いました。
★五年生でも〇〇先生になってほしいです。
★さいきんすこ~しずつ百点もふえてきたきがします。とくに、理科。かんじテストは88!。私にとっては高とくてんです。
★〇〇先生のおかげで、じゅぎょうなどの問題などが理かいできました。
★できれば来年も〇〇先生のクラスがいいです。
★4年生になって字がきれいになったのでよかったです。
★〇〇先生おしえかたが分かりやすかったです。
★五年生になっても〇〇先生だったらうれしいです!
★先生が「ていねいを大切に」と言ってくれたので、ノートの字をていねいに書くように気を付ける事ができました!
★最初は、こわいイメージが多かったけど、一年間を通してとってもおもしろい先生だと思いました。
★〇〇先生は最初きびしくて、とっても怖いのかと思っていましたが、それの反対でとってもやさしかったです。だから、来年度も〇〇先生のクラスがいいです。
★先生の教え方は分かりやすくてすぐに耳にはいって来ました。なので5年生になっても先生のクラスになりたいです。

 教師の本分は「授業」だ。
 要約の授業が楽しかった、と普通の教師は言われないだろう。
 向山型で実践したからだ。

 最初怖かった、という記述も目立つ。
 「黄金の三日間」に、教師の威厳を示さなくてはならない。
 枠組みを理解し、それを逸脱さえしなければ楽しい、ということが分かったのだろう。

 今年度も、

    「名前を覚える」

ことから始まる。