2016年4月9日土曜日

15分でがらりと変わった合唱指導(新2年生)

 勤務校の入学式では、式の前に新2年生による「アトラクション」がある。
 新1年生を歓迎するための、ちょっとしたものだ。
 歌は「そろそろ はるですよ」「ドキドキドン!1年生」「校歌」の3曲である。

 旧1年生担任は、このアトラクションを終えるまでが仕事だ。
 しかし、旧担任の伴奏担当が、今年度も引き続き1年生担任となった。
 なので、私に伴奏の役が回ってきた。

 入学式当日。
 始業式後に、音楽室で軽く練習・リハーサルを行う。
 まずは通してみて、私の指導時間は15分程度だ。

 通してみての感想。
 声に張りがなかった。
 歌詞はまあまあ覚えている。
 しかし、全体的に暗く、体育館サイズでは太刀打ちできない。
 かといって、たくさん指導し過ぎると、中途半端に終わる。
 けれども、2年生に達成感を味わわせたい。

 15分で3曲の指導。
 一点突破にすることにした。

    「最初の言葉を大げさくらいにはっきり言う。」

 これのみにした。

 例えば、「そろそろ はるですよ」。
 1番の出だしは「たんぼの かえるは まだねむい」である。
 「た」をはっきり言うようにいった。

 そのときに、
 「みんなのうたはね~、「あんぼの かえるは まだねむい」に聴こえるよ」と歌って聞かせる。
 子どもたちは、「なにそれ~」のように笑っている。
 こうやってほぐすためにも、こういうふうに聞こえているよと、教師が歌って聞かせるのだ。

 これをどの曲でも繰り返す。
 笑って歌い、笑って歌い。

 そうして、本番は伴奏でいっぱいいっぱいだったが、上手に歌えたようだ。

 午後イチの打ち合わせで、校長がこう言っていた。

    「始業式・入学式とお疲れ様でした。2年生も立派でした。来賓の方々が、特に歌がよかったって褒めてくださいました。」

 15分でもがらりと変わる。
 その場に居合わせた旧1年生担任は、「こうなるんだね……」と驚いた様子だった。

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