勤務校の入学式では、式の前に新2年生による「アトラクション」がある。
新1年生を歓迎するための、ちょっとしたものだ。
歌は「そろそろ はるですよ」「ドキドキドン!1年生」「校歌」の3曲である。
旧1年生担任は、このアトラクションを終えるまでが仕事だ。
しかし、旧担任の伴奏担当が、今年度も引き続き1年生担任となった。
なので、私に伴奏の役が回ってきた。
入学式当日。
始業式後に、音楽室で軽く練習・リハーサルを行う。
まずは通してみて、私の指導時間は15分程度だ。
通してみての感想。
声に張りがなかった。
歌詞はまあまあ覚えている。
しかし、全体的に暗く、体育館サイズでは太刀打ちできない。
かといって、たくさん指導し過ぎると、中途半端に終わる。
けれども、2年生に達成感を味わわせたい。
15分で3曲の指導。
一点突破にすることにした。
「最初の言葉を大げさくらいにはっきり言う。」
これのみにした。
例えば、「そろそろ はるですよ」。
1番の出だしは「たんぼの かえるは まだねむい」である。
「た」をはっきり言うようにいった。
そのときに、
「みんなのうたはね~、「あんぼの かえるは まだねむい」に聴こえるよ」と歌って聞かせる。
子どもたちは、「なにそれ~」のように笑っている。
こうやってほぐすためにも、こういうふうに聞こえているよと、教師が歌って聞かせるのだ。
これをどの曲でも繰り返す。
笑って歌い、笑って歌い。
そうして、本番は伴奏でいっぱいいっぱいだったが、上手に歌えたようだ。
午後イチの打ち合わせで、校長がこう言っていた。
「始業式・入学式とお疲れ様でした。2年生も立派でした。来賓の方々が、特に歌がよかったって褒めてくださいました。」
15分でもがらりと変わる。
その場に居合わせた旧1年生担任は、「こうなるんだね……」と驚いた様子だった。
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